monparis's blog

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主にフランス語学習と読書について書いてます

ハイデガー 「存在と時間」を読むための最初の一歩

 何で私がハイデガーやねん、と自分でツッコミたいくらいです。

たまたま筒井康隆氏がハイデガーについて書いた本を本屋の新刊コーナーでみつけ、SF作家がハイデガー?哲学書の体裁をとったSF小説なのかなと考え手に取ってみたのです。これがどこか偉い大学の先生だったら手に取ってなかったかもしれません。この本とても薄いのです。そこもポイント。

 

死についての本ばかり読み漁っていた時期がありました。油断したら死にかねない人の世話をしていたからです。それは医療従事者でもない素人が向き合うには重すぎ、取り憑かれたようにそんな本ばかり読んでた私は、今振り返るとやっぱり取り憑かれていたんだと思う。家族の生死が自分1人にかかっているという想いに。

急に哲学書を読んでみたところで、何が書いてあるのかさっぱりわかりませんでした。
私がハイデガーについて知っていることといえば、「存在と時間」という本を書き、ほとんどその一冊で哲学の分野において歴史に残った人。しかも未完だし。途中までしか書いてないものがそれほどの評価を受けるなんて、よっぽどすごいことが書かれているに違いない。岩波文庫の分厚い本をパラパラめくってみた。日本語だけれど何が書いてあるのか、もう単語からして意味がわからない。でもなんだかSFちっくな内容。

 

ちんぷんかんぷんだった。で、この本です。もうこれ以上は無理、というくらいやさしい言葉で説明してあります。こういう難解な本を背景知識のない人間が理解できるようなやさしい言葉で説明するには、一度自分が理解して簡単な文章に置き直す必要がある。哲学者と違うのは筒井康隆氏が作家であるということ。さすが文章のプロなんだなぁ、たった1行で「あっそういう意味なんだ」と腑に落ちる説明をしてくれます。

 

私のように哲学に興味はあれど、頭がついていかないという時の最初の一歩にいいのではないでしょうか。

誰にもわかるハイデガー

誰にもわかるハイデガー