なぜ買おうと思ったけれど買わなかった話をするのか
先日、本屋で「成熟脳ー脳の本番は56歳から始まるー」(黒川伊保子著)という文庫を手にとりパラパラめくっていたら、目次の一文が目にとまりました。
女はなぜ、転びそうになって転ばない話をするのか
単なるおしゃべりやん、いちいちなぜとか理由を聞かないで欲しい
と思ったmonparisですが、その時「はっ!」としたのです。
私の母の話ですけど、買い物へ行って帰ってくると必ず
「買おうと思ったけど、やっぱり買わなかったもの」の話をするのです。
こんな風に…
「今日、にこにこスーパー(仮名)に行ったら、和菓子コーナーに水無月があってん、タイムセールで安くなってて食べたいなーと思って手に持ってたんやけど、やっぱり家にまだアレがあったなぁと思って買うのやめた。」
とか
「あんたが好きな〇〇チーズがあったからカゴに入れてたのよ。でもよく見たらこーんなに小さくなっててびっくり!袋や箱ばかりきれいにして、中身ちいさちいさなってしまって、食べるとこあらへん。腹たつから置いてきた。」
みたいな。
繰り返し聞かされるこの手の話にストレスを感じていた私は、
話を聞きながら脳内スイッチを切り替えるようになりました。
母「ズボンが欲しいなーと思って見てたら…(→スリープモードに切り替え)あーだこーだ、ペラペラペラ、しのごのしのごの、…だから買わんと帰ってきた。」→(通常モードに戻る)
私「ふぅーん」
冒頭の本に戻りますが、私が「はっ!」としたのは
「女はなぜ、転びそうになって転ばない話をするのか」と
「母はなぜ、買おうと思って買わなかった話をするのか」
が同じであることに気がついたからです。
その理由は共感されたいからなのですが、この本の作者はなぜ女はそこまでして共感を求めるのかまで突っ込んで書いています。うーん、私も女なのでそこはわかる。しかし、わかっていても母の毎度同じパターンの話にイラっとする私はちょっと男性脳寄り?
この本、「感性とAIの研究者が紡ぎ出す脳科学エッセイ」という帯が付いてまして脳にまつわる面白いエピソード満載です。