20冊読んだ中からおすすめ!フランス語で読む小説
フランス語を読めるようになると楽しい。
もちろん、話せることも、聞いてわかることも、書くことも、できれば楽しいのだけれど、本好きにとって、外国語で本を読める楽しさは格別なのだ。
フランス語の本というと真っ先に候補にあがるであろう「星の王子さま」と「プチニコラ」。Le Petit Princeのメッセージは大人向けっぽいし、Le petit Nicolasも愉快なんだけど、児童書ばかりではあきてきますよね。大人には大人の関心ってものがありますから。じゃあ何を読むか、で迷うのではないでしょうか。
私は仏検2級くらいから辞書を引きながら読むことにトライし始めましたが、まだ小説を読むには力不足な感じがしました。実際に読み通したのはDELF B1~DELF B2をパスするまでの期間で、作品は20冊前後です。多くはないですが、一読しただけでは消化不良なので2~3回読み返しました。
今日はその中から、最初に読むのにオススメな本を5冊ご紹介します。
1.フランソワーズ・サガン “Bonjour Tristesse” 「悲しみよこんにちは」
定番ではありますが、おすすめです。実は読む前はちょっと軽く見ておりました。題名から察して、おしゃれな表現を並べたよくある恋愛ものだと思っていたのです。この本の良いところは、
・表現がシンプルでありながらエレガントなので、フランス語を読む喜びを感じることができる。
・女性であれば感情移入しやすい。
・ディテールがおしゃれ。
例えば、セシルがコーヒーとオレンジだけの朝食をとる描写が印象的なんです。
monparisは早速やってみました(笑)。
- 作者: Francoise Sagan
- 出版社/メーカー: Presse Pocket
- 発売日: 2009/05/15
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2. カミュ”L’étranger”「異邦人」
これも定番中の定番ですね。
サガンとは対照的に感情を表現することなく、飾りを排除し、淡々と語られる文体。ハードボイルドな感じ。
L'Etranger (Collection Folio, 2)
- 作者: Albert Camus
- 出版社/メーカー: Gallimard
- 発売日: 1990/10/01
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3. モーパッサン “Le Horla” 「オーラ」
短編です。とても短いのですぐ読めます。
私が持っている洋書のイラストは↓よりもっと怖いです。
Le Horla (Edition Intégrale - Version Entièrement Illustrée) (French Edition)
- 作者: Guy de Maupassant
- 発売日: 2015/09/26
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4. ジード ”La symphonie pastorale” 「田園交響楽」
とても読みやすく感じました。最初に挙げた2冊よりやさしいかもしれません。
同じ作者による「狭き門」もですが、名作と言われるものがこんな平易な文章で書かれているのか、と驚いたくらいです。
ある男性作家がこの本を愛読書にあげていたのですが、私にはちょっとホラーでした。”Bonjour Tristesse”とは逆に男性の方が感情移入できるかもしれません。
La Symphonie Pastorale (Folio Ser .: No 18)
- 作者: Andre Gide
- 出版社/メーカー: Gallimard
- 発売日: 1972/06/01
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5. モディアーノ ”Des Inconnues” 「無名の女たち」
2014年のノーベル賞受賞作家です。こちらは短編集で、主人公たちがみんな若い女性。まだ何者でもない彼女たちのストーリーです。難しい単語や構文がほとんどなく、とても読みやすいと思います。
以上、どれか興味を惹かれる本がありましたか?
途中わからなくても辞書を引きながら一冊読み通すことをお勧めします。そして時間を空けずにもう一度読み返します。今度はずっと楽になっているはずです。そして3回目、ゆ~っくり文章を味わいながら読みましょう。
みんな読んじゃった、という人はこれ!