フランス語で読むマンガ 「ベルサイユのばら」
フランス語でマンガはバンドデシネ(bande dessinée)略してBDと言いますが、日本のマンガはMANGAと表記されることが多いです。
読んだことのあるマンガをフランス語で読んでみるのもおすすめの学習方法です。
かの有名な「ベルサイユのばら」(ベルばら)もフランス語版があり”La Rose de Versailles”という題名で出版されてます。この作品、フランスでアニメが放送されていたようで、またの名をLady Oscarと言います。
マンガには何といっても万国共通の絵がありますからね、場面によってはセリフなんていらないくらい。その点、初心者にも敷居が低いです。私はパリのジュンク堂で買って3日くらいで一気に読みました。
はたして王族、貴族の会話を覚えて役に立つのか?という疑問は残りますが、言い換えれば十分実用に耐えるのではないでしょうか。少女漫画なのでどうしても言い回しがドラマチックになってしまいますが。
いくつか例にあげると…
ポリニャック夫人の名ゼリフ
文句があったらベルサイユにいらっしゃい!
Si vous avez à vous plaindre, vous n’avez qu’a venir a versailles!
(直訳:もし文句があるのなら、ベルサイユに来るしかない)
↓
自分が所属する会社が丸の内にあったとしたら
Si vous avez à vous plaindre, vous n’avez qu’a venir a Marunouchi!
( 文句があったら丸の内にいらっしゃい!)
となるわけです。
または、
バスチーユの襲撃の一報を受けルイ16世が
“Mais, c’est un revolt?” 「たんなる反乱であろう?」というのに答えて
「いいえ閣下、これは革命なのです!」
Non, Sire, c’est une revolution!
と伝えるシーンは、
↓
パリ旅行中に電車が遅れた場合、
C’est un accident ?「事故ですか?」
Non, monsieur, c’est une grève!「いいえ、ムッシュー、ストです!」
に流用できます。
オスカルが平民議員を捕らえようとする近衛兵を阻止する時のセリフ。
「私の屍を超えていけ! 私の血で染まっていけ!」
Vous devrez d’abord passer sur mon corps!!
Et vous tacher de mon sang!!
これなんか、絶対そうはさせない!というシーンでそのまま使えそうですが、大げさすぎて相手がひくかも。
フランス革命を題材にしていても、セリフには大和魂がにじみ出ています。ベルばらファンならニヤニヤしながら読んでしまうことでしょう。
マンガに実用性など問題ではなく、読んでておもしろいことが一番。
それに、日本人が英語や中国語ではなくフランス語を学ぼうとしている時点で、実用最優先の方ではないとお見受けいたします。
この本、中央公論の愛蔵版がそのままフランス語になった感じですが、紙質は日本の方がいいです。フランス語版は洋書のペーパーバックのような紙が使われていて、その分厚みもあります。
会話の練習に使うときは、誰のセリフかを注意して使わないと高飛車な感じになるかもしれません。
ご注意あそばせ。
フランス語版
日本語版
ベルサイユのばら 愛蔵版(第1巻) (Chuko★comics)
ベルサイユのばら 愛蔵版(第2巻) (Chuko★comics)
ベルサイユのばら愛蔵版(全3巻セット) (Chuko・comics)