monparis's blog

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主にフランス語学習と読書について書いてます

古文が苦手だった私でも読めた2冊

monparisは英語とフランス語を学ぶためにある程度の時間とお金と努力を投入しましたが、もう一つできたらいいなぁ、と常々思っている言語があります。


いや日本語なんですけどね、読めないんですよ。

 何かというと日本の古文です。


古語なんて学生時代の古典の授業以来忘れた!という方が多いかと思います。私もその1人ですが、中高時代に暗唱させられた古典の出だしは記憶に残ってませんか。

例えば…


 枕草子 

 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎわ、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

 

平家物語

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。猛き人もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。 


 私は当時、京都の祇園だと思ってましたけど…

方丈記

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

 

やっぱり暗唱や素読って大切ですね。
意味はあやふやでも記憶に残っているんですから。
それに比べてフランス語は…油断するときれいさっぱり忘れます。

 

素読のすすめ (ちくま学芸文庫)

素読のすすめ (ちくま学芸文庫)

 

  

正直、日本の古典を読むよりも英語の小説を読む方が楽です。そんな私でも、あれ?これ意味わかる、何百年も前の作品といえどもやっぱり同じ日本語なんだーと感動したのが、「方丈記」と「歎異抄」です。短いし解説付きの本もたくさん出てるのでオススメです。

  

方丈記 (ちくま学芸文庫)

方丈記 (ちくま学芸文庫)

 

 


特に、日本人なら宗教とは関係なく読んで欲しいと思ったのが「歎異抄」です。
その格調高い文章にmonparisしびれました。

 

歎異抄 (講談社学術文庫)

歎異抄 (講談社学術文庫)

 

 

古典をすらすら読めるようになったら、外国語を一つマスターしたくらいの価値があるのではと思います。

あと、くずし字を読める人も尊敬です。

 

フランス人の友人を博物館に連れて行った時のこと。

かなくずし字で書かれている掛け軸を指差してなんて書いてあるのかって聞かれたんですけど、それは古い言語で書かれてるので私には読めない!と言って逃げました。
ここで読めたら株が上がったのに。

まだ読んでないけど、こんな本を目につくところに侍らせています。 

これなら読める! くずし字・古文書入門 (潮新書)

これなら読める! くずし字・古文書入門 (潮新書)

 

 

変わりゆく京都


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仕事で長年JR京都駅を通過していた。今でもたまに行くとひしひしと感じるのだけれど、
ここ数年の京都駅の変化は凄まじい。

それは駅にある地元企業の大画面広告や周辺店舗のポスター、飲食店の門構えからもわかる。以前はここまで和風、京都っぽさを強調したことはなかったのでは。

京都は観光地なので外国人は見慣れていたけれど、かつて観光客の大半は修学旅行生であり、おじさんおばさんの団体旅行だった。


何かがはっきり変わったと感じている。

何よりも、いろんな国の言語が街に溢れることによる景観の変化がとても気になる。

monparisはパリが好きだけど、そこに日本語表示は求めない。

 

 

20冊読んだ中からおすすめ!フランス語で読む小説ー中級編

ここのところまたフランス語と関係ない話ばかりになってきた。本道に戻って今日は「フランス語で小説を読む」の中級編です!


何をもってフランス語中級というかは意見が分かれるところですが、ここでは
monparisの独断で


1.Delf B1レベル以上
仏検2級ではまだ難しかった小説が
語学学校のB1クラスから読めるようになった経験から)
2.フランス語の小説を5冊以上読破している
 (フランス語の本を読むことにある程度慣れている)

とします。


まだ一冊も読んでないという方は初級編をご参照ください。

 

monparis.hatenablog.com

 


今日ご紹介する5冊を中級編としたのは以下いずれかの理由です。

  1.文章、語彙がそこそこ難しいと感じた。
  2.口語体で辞書に載ってない単語や言い回しが出てくる。
  3.長い。(長いってだけで挫折しそうだから)

 

 1. La vie devant soi / Gary Romain

これはパリの語学学校で先生が勧めてくれた本で、この中では一番読みやすいと思います。文章は平易ですが270ページほどあります。

孤児モモの一生懸命さに涙した。

La vie devant soi (Collection Folio)

La vie devant soi (Collection Folio)

 

 

 2.La Peste / Albert Camus

初級編でL'étrangerを読んだ人は、ぜひこの作品を読んでください。
「フランス語の小説を夢中で読む」を体験するのに一押しです。ぎっしり小さい字で270ページほどありますが、見た目ほど読むのは大変じゃないですよ。

LA Peste (Folio Series: No. 42)

LA Peste (Folio Series: No. 42)

 

 
3. La Chute / Albert Camus

一人の男がアムステルダムのバーで自分の人生を語り始める。独白ってやつですね。興味あるエピソードもあるのですが、思想的な話になってくると途中から私はついていけなくなりました。

その手のテーマに興味ある人にとっては面白いのでは。

La Chute (French Edition)

La Chute (French Edition)

 

 
4. La Nausée / Jean-Paul Sartre

白井浩司訳「嘔吐」を長年積読本していたので、これをフランス語で読み終えた時は嬉しかったです。実存主義や不条理が理解できたか全く自信はありませんが、普通に小説として楽しめました。主人公の観察眼というか周りの物や人に向ける目線が面白かったです。そんなこと考えるん?と笑ってしまうことも。

La Nausee

La Nausee

 
 

 

 5. Je voudrais que quelqu'un m'attende quelque part
/ Anna Gavalda

パリに暮らす男と女の短編集です。
個人的にはサルトルの”La Nausée”より苦戦しました。男女の機微がテーマのようです。辞書に載ってないような単語や表現を使っているところが私には難しかったのです。フランス在住でフランス人と日常生活を共にしていたりする人には簡単なのかもしれません。

 

Je Voudrais Que Quelqu'un M'Attende Quel (Litterature Generale)

Je Voudrais Que Quelqu'un M'Attende Quel (Litterature Generale)

 

 

日本語の小説でも同じですが、興味ないものは途中で投げ出す可能性大です。ここまできたらそんな苦行はやめて、自分の好みの本をどんどん読んでってください。アマゾンで買うもよし、フランスに行った時に自分へのお土産としてまとめ買いするもよし、楽しんでください。

私の中で、永遠の上級編はマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」ですが、それをブログに書く日がはたしてくるのか…。

バネ指になってステロイド注射とリハビリをした話

バネ指の続きです。

編み物をしすぎてバネ指になり、ステロイド注射をうつことになったところまで話をしました。

 

monparis.hatenablog.com

 

なったことなければ全く興味のわかないテーマだと思います。しかし、一度なってみると切実な問題です。


さて、ステロイド注射は痛いか?というと
痛いことは痛いですが、それほどでもないというのが私の感想です。
バネ指のまま生活し続けるより、私は数分痛い方を選びます。

注射してすぐ、先生が曲がった指をゆっくり伸ばそうとされる。ましにはなったものの、元の状態まで戻らず少しがっかりした。でも、効果が現れるまで時間差があるということなので、その言葉に望みを託すことに。

 翌日、洗濯物を干していて、親指の付け根に激痛が走る。内部でパチンコゴムが弾けたような感じ(わかります?)で気持ち悪い。悪化したんじゃないかと不安になる。

でも2日たったころにはそれもおさまりホッとしました。
ステロイド注射が徐々に効いたようです。

まっすぐにはなったけど元のように反らない。
そのことを再度、先生に伝える。
診察の結果、リハビリで改善の余地がありそうだということで週一回リハビリに通うことに。こんな指の体操で本当に元に戻るんかしら?と思いながら家でも自主トレをする。

 
そして1ヶ月少々で… 戻った!
はぁ、よかった。

親指が元どおり反るようになりました。
うれしい。

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効果を疑ってごめんなさい。
個人差があるでしょうけど、ダメ元で試してみる価値はあるのではないでしょうか。

 

 

 

 

伊藤比呂美、介護の先輩

伊藤比呂美さんの作品を初めて読んだのは家族の介護中だった。

「父の生きる」、世に介護手記はたくさんあれど、読んだ中で私はこれが一番好きだ。

 

父の生きる (光文社文庫)

父の生きる (光文社文庫)

 


家族の生死がかかるとどうしても必死になってしまう。
なんとかして助けたいし守りたいと思う。
でもそれが共倒れにつながることがある。

介護の先輩として、この人の肩から力が抜けた感じに救われた。要介護者を見捨てるでもなく、自分の人生を全て犠牲にするでもない中道をいくところに。

その後、彼女の作品をいくつか読んだ。

女の一生 (岩波新書)

女の一生 (岩波新書)

 

 

読み解き「般若心経」 (朝日文庫)

読み解き「般若心経」 (朝日文庫)

 

  

そしてこの最新作で、ご両親に続き旦那さんも看取られた話をされている。

 

たそがれてゆく子さん (単行本)

たそがれてゆく子さん (単行本)

 

 

そうなのか、そうなんだ。と思いながら前を行く人の経験談として読ませていただいた。